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「債務整理」に関するQ&A

経営者が債務整理をした場合退任しなければいけませんか?

  • 文責:所長 弁護士 秋葉俊孝
  • 最終更新日:2025年8月22日

1 経営者を退任しなければならないのは自己破産のみ

債務整理の代表的な方法には任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

結論から申し上げますと、自己破産をした場合のみ、経営者(代表取締役)は退任しなければなりません。

他の2つの方法であれば、法律上退任する必要はありませんが、事実上の影響は発生しますので注意が必要です。

以下、自己破産と経営者の立場との関係、および任意整理・個人再生をした場合の注意点について説明します。

2 自己破産と経営者の立場との関係

会社法330条によれば、「株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う」とされています。

なお、ここでの役員には、代表取締役も含まれます。

そして、民法653条第2号により、「委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと」は委任の終了事由とされています。

つまり、代表取締役である経営者が自己破産をすると、会社との間での委任契約が終了し、退任することになります。

ただし、自己破産の履歴があることは役員の欠格事由とはされていないため、自己破産手続きが終了して復権(一般的には免責許可決定の確定)を得れば、再度代表取締役になることは可能です。

3 任意整理・個人再生をした場合の注意点

自己破産と異なり、任意整理や個人再生をしても、法律上会社との間での委任関係が終了することはありません。

そのため、法律の適用として退任することにはならず、引き続き経営者の地位に就いたまま事業を行っていくことが可能です。

もっとも、任意整理や個人再生が経営にまったく影響を与えないというわけではありません。

中小規模の会社の場合、会社への融資において経営者の信用が重視されることもあり、任意整理や個人再生を選択した場合であっても事業用資金の借入れが難しくなることがあります。

これは、任意整理や個人再生をすることによって、経営者の信用情報に事故情報が登録されてしまうためです。

事故情報は、任意整理や個人再生をした後、完済してから5年間程度経過するまでは登録されることになっています。

完済に5年間を要する場合、少なくとも合計10年程度は融資を受けることが困難になってしまい、経営に悪影響を及ぼします。

任意整理をした場合の融資への影響については、こちらをご覧ください。

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