「債務整理」に関するお役立ち情報
借金が雪だるま式に増えてしまった場合の対応
1 借金が増えすぎて返済が困難になったら債務整理を検討する
やむを得ない事情などにより借入れを繰り返した結果、借金の金額が増えすぎてしまい、毎月の返済が難しくなってしまうことがあります。
このような場合、無理に返済を続けると事態を悪化させてしまうことがあるので、現実的な解決策として債務整理を検討することをおすすめします。
債務整理とは、法律に基づいて借金等の債務の返済負担を軽減し、生活の立て直しを図る方法です。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つがあり、債務額や収支の状況、借金を作った経緯等に応じて、最適な方法を選択することになります。
2 借金に関する問題は基本的に時間が経つほど悪化します
一般的に、借金問題は時間が経つほど状況が悪化してしまう傾向にあります。
返済が困難な状況を放置すると、以下のようなことが起き得ます。
まず、返済が遅れると、貸金業者等から電話や手紙などによる催促が行われます。
また、返済を滞らせないために、別の場所から借入れたお金で返済をしてしまうと(いわゆる、自転車操業状態)、利息が膨らみ、いずれ返済ができなくなってしまいます。
返済が滞った状態が続くと、貸金業者等が訴訟を提起することがあります。
さらに、訴訟の対応をしっかり行わないでいると、敗訴判決が確定してしまい、給与や預貯金口座が差し押さえられる可能性があります。
このような状態になってしまうと、生活や仕事に支障をきたしかねません。
したがいまして、借金の返済が難しいと感じたら、できるだけ早く弁護士に相談して対応の検討をすることが大切です。
3 債務整理の概要
⑴ 任意整理
弁護士が貸金業者等と直接交渉し、返済総額や返済期間などを変更することで、返済負担を軽減する手法です。
一般的に、残債務の元金と経過利息、遅延損害金の合計額を36~60か月程度で分割返済できるようになりますので、任意整理後の想定返済額を超える返済原資(月々の手取り収入から生活費等を控除した残額)を確保できる方に向いています。
⑵ 個人再生
個人再生は、裁判所を通じて債務総額を大幅に減額(金額によっては、5分の1程度)できる可能性があり、減額後の債務を原則として3年間(最長5年間)で分割返済する手続きです。
個人再生後にも返済を続けていく必要がありますが、自己破産に比べて制約が少ないという特徴があります。
⑶ 自己破産
自己破産は、債務額や収支の状況からみて、返済が不可能であると判断される場合に、一部の例外を除く債務の返済責任を免除してもらう(免責許可を得る)手続きです。
債務返済の負担を軽減する効果は最も高いといえますが、一定の評価額を超える財産が処分される、復権までの間に就ける職業に制限があるなどの制約もあります。