「任意整理」に関するQ&A
任意整理をすると会社設立できなくなりますか?
1 基本的に任意整理をしても会社設立はできます
結論から申し上げますと、任意整理をしても会社を設立することは可能です。
法律上、会社を設立することに対する制限はありません。
任意整理は、裁判所を通さずに貸金業者等と個別に交渉を行う、いわゆる私的整理の一種であり、自己破産のような法律上の職業制限・資格制限を伴うものではありません。
例えば、自己破産の場合、復権(一般的には免責許可決定の確定)までの間は、会社の取締役に就けない、一部の職業(弁護士、司法書士、保険外交員、警備員など)に就けないという制限がありますが、任意整理にはそのような制約はありません。
そのため、任意整理をしたとしても、法律上は起業して会社の代表取締役になることはできます。
ただし、任意整理をしたことにより経済的な信用が悪化し、事実上の制約が生じる可能性はあります。
2 経済的な信用の悪化による影響
一般的には、任意整理を行うと、信用情報機関が管理している信用情報に、事故情報が登録されるとされています(いわゆる、ブラックリストに載るという状態)。
信用情報機関は複数ありますが、最も長いもので、任意整理後に完済してから5年間程度が経過しないと事故情報は抹消されないともいわれています。
金融機関や貸金業者等は、新たな借入れの申込みがあった際に、審査の過程で申込者の信用情報を確認することがあると考えられます。
信用情報に事故情報があることが判明した場合には、審査を通さないという判断をする可能性もあります。
会社を設立した場合、事業資金の融資を受けるのはあくまでも法人であり、代表者が個人名義で借入れをするわけではありません。
もっとも、特に中小規模の会社においては、代表者が法人の連帯保証人になっていることも多いと考えられます。
その際に、代表者個人の事故情報が、融資の可否に影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。
事故情報が原因で融資を受けられなかったという場合の対応としては、一定期間は自己資金で事業を運営し、事故情報が抹消されたと考えられるタイミングで、再度、融資の申し込みをするといったことが考えられます。
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