「任意整理」に関するお役立ち情報
任意整理は結婚に影響するか
1 法律上は任意整理が結婚に及ぼす影響はありません
結論から申し上げますと、任意整理をしたとしても、そのこと自体が離婚事由になる旨や、将来結婚できなくなる旨が法律で定められているということはありません。
ただし、事実上、任意整理をしたことが夫婦の生活や将来の結婚に影響を及ぼす可能性があります。
特に、任意整理をしたことを、配偶者や交際相手に秘密にしていた場合には、判明した際に信頼関係が悪化してしまう可能性があります。
以下、任意整理をしたことが結婚に及ぼす影響について詳しく説明します。
2 ローンを組むことやクレジットカードの作成が制限される
任意整理をすると、多くの場合残元金と経過利息、遅延損害金の合計額を3~5年で分割して返済することになります。
このとき、信用情報機関が管理している信用情報に事故情報が登録されます。
事故情報は、最も長いもので任意整理後に完済をしてから5年間程度の間は残るとされています。
この状況下で住宅ローンの申し込みをしたり、新たなクレジットカードの作成の申し込みをしても、審査が通らないということがあります。
このことが夫婦生活に影響を与える可能性は、ないとは言い切れません。
例えば、住宅ローンの申し込みの際に、はじめて事故情報が登録されていることが判明したという場合には、配偶者に不信感を持たれてしまう可能性もあります。
3 返済に充てる支出が必要となる
2で説明しましたとおり、任意整理をした後も数年間は返済が続きます。
返済に充てる金銭は、通常であれば収入の中から捻出することになります。
その分、生活費に充てられる金銭は減少します。
過去に任意整理をしたことや、任意整理をせざるを得ない状況であることを予め相手に伝えていて、理解を得られていれば問題は起きにくいと考えられます。
一方、任意整理をしたことや、任意整理をせざるを得ない状況であることを相手に隠していた場合には、後になって支出が想定以上に多いということになり、生活費のやりくり等の場面において関係が悪化することも考えられます。
4 結婚前に任意整理をしておいた方がよいのか
このように、任意整理をしたことは事実上結婚に影響を及ぼす可能性があります。
しかし、だからといって返済が困難な借金をそのままにして結婚すると、いずれ返せなくなって電話がかかってきたり、郵便が来たりして、相手に借金の存在が発覚する可能性があります。
また、借金の滞納が続くと、差し押さえが行われる可能性もあります。
そのようなことによって借金の存在が発覚した場合、信頼関係がさらに大きく損なわれることも考えられますので、借金問題についてはそのままにせず、お早めに弁護士に相談して任意整理を検討することをおすすめします。
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